2025年の選挙で、再びその名が注目される須藤元気さん。格闘家から政治家へその異色の経歴は、誰もが知るところです。
しかし、彼にはもう一つの、そしておそらく最も謎めいた顔があることをご存知でしょうか。
そう、あの黒いスーツに身を包み、無表情にロボットダンスを踊る、伝説的パフォーマンス集団『WORLD ORDER』です。
YouTubeで世界を熱狂させた、あのシュールで美しい映像。
- 一体、あれは何だったんだろう?
- なぜ、彼はリングを降り、スーツを着て踊り始めたのか?
この記事では、単なる経歴紹介では決して語られることのない、彼の「表現者」としての魂の物語に迫ります
WORLD ORDERの結成秘話から、そこに込められた須藤元気の深遠な哲学、そして伝説のメンバーたちの現在まで。
あなたの長年の疑問に、今、ここで、完璧な答えを提示します。
この記事では、彼の「表現者」としての一面に深く迫りますが、「格闘家から政治家へ」という彼の壮大なキャリア全体や、プライベートな素顔について知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
2つの記事を読むことで、「須藤元気とは何者か」という問いの、全ての答えが揃います。
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結論:WORLD ORDERは、須藤元気の「戦わない平和論」の結晶だった
なぜ、須藤元気はWORLD ORDERを作ったのか。
その答えは、彼が格闘家人生を通じてたどり着いた、一つの深遠な哲学に集約されます。それは、「WE ARE ALL ONE(私たちは、すべてひとつである)」という思想。
須藤元気は語ります。
「お互いバラバラだと考えているから、人から何かを取ろうとしたり、戦争があったり、色々なことが起こる。『他者じゃない』と思えば、自分に対しては優しくするし、決して傷つけたりしないと思うんです。」
格闘家時代、彼は「I am only one.(俺が唯一の存在だ)」と考え、他者を蹴落とすことだけを考えていたと言います。しかし、ニューヨークの同時多発テロをきっかけに、その思想は大きく転換します。「自分が成功しても、世界が終わったら意味がない」。
スーツで個性を消し、一糸乱れぬダンスで「調和」を描く。
その独特なパフォーマンスは、国籍や文化、あらゆる違いを超えて、世界が一つになることの美しさを表現する、須藤元気の「戦わない平和への祈り」そのものだったのです。
この記事では、この哲学をさらに深掘りしながら、WORLD ORDERという奇跡のプロジェクトの全貌を解き明かしていきます。
参考サイト

なぜスーツで踊るのか?そこに込められた深遠な哲学
WORLD ORDERのパフォーマンスを見て、誰もが一度は思う素朴な疑問。
「なぜ、彼らはスーツを着て、無表情に、ロボットのように踊るのか?」
その答えは、須藤元気さんが仕掛けた、極めて知的「社会への批評」と、彼の根幹思想である「WE ARE ALL ONE」に繋がっていました。
「スーツ」は、社会への痛烈な皮肉
須藤元気さんは、インタビューでこう語っています。
「僕みたいなサブカルチャー側の人間がエリートサラリーマンの象徴であるスーツを着てパフォーマンスをするだけで、社会に対する痛烈な皮肉になっている」
彼にとってスーツは、単なる衣装ではありません。
それは、画一的で真面目な「日本人ビジネスマン」の象-徴であり、それをあえて身にまとうことで、「本当にその生き方でいいのか?」と、現代社会の同調圧力に静かな問いを投げかける、批評的なアートなのです。
参考サイト

「ロボットダンス」と「無表情」が問いかけるもの
ミリ単位で揃えられた、人間離れした「ロボットダンス」。
それは、効率化や管理社会の中で、まるで機械のようになっていく現代人の姿を、皮肉たっぷりに映し出す鏡です。
そして、感情を一切排した「無表情」。それは、個人の感情よりも「普通」であることが求められる社会へのアンチテーゼであると同時に、人種や国籍といった違いを乗り越えるための、究極の「平等」の表現でもあります。
顔の表情を消すことで、彼らは一個の人間ではなく、「人類」という一つの存在になる。その姿は、「WE ARE ALL ONE(私たちはすべてひとつ)」という、須-藤元気の哲学そのものを、言葉以上に雄弁に物語っているのです。
伝説のメンバーは誰?初期の黄金期を支えた男たち
須藤元気という絶対的なリーダーの元、WORLD ORDERの唯一無二の世界観を共に創り上げたのが、結成当初からグループを支えた初期主要メンバーたちです。
その中でも、特に黄金期を支えた中心人物として、以下の名前が挙げられます。
- 内山 隼人
- 森澤 祐介
- 野口 量 (チーフコレオグラファーとして、あの独特な振付の多くを生み出した)
須藤元気の哲学と、彼ら卓越したダンサーたちの技術と個性が化学反応を起こしたからこそ、WORLD ORDERは世界を驚かせるパフォーマンスを生み出すことができたのです。
これだけは見ておいた方が良い!WORLD ORDERの代表作MV3選
WORLD ORDERの哲学と歴史は、彼らが発表してきたミュージックビデオ(MV)そのものに刻まれています。数ある名作の中から、彼らの進化を体感できる、必修の3作品をご紹介します。
- 『MIND SHIFT』(2010年)
- 『IMPERIALISM』(2013年)
- 『HAVE A NICE DAY』(2014年)
①『MIND SHIFT』(2010年)
どんな作品?
WORLD ORDERのデビューアルバムに収録された、まさに「原点」の一曲。スーツ姿でのロボットダンスという、彼らのスタイルを世界に初めて提示しました。「この世界は幻だ」と歌う歌詞は、須藤元気の哲学の根幹である「意識の転換(マインドシフト)」を表現しています。
歴史的意義
YouTubeを通じて、彼らの存在が世界に発見されるきっかけとなった記念碑的作品。
②『IMPERIALISM』(2013年)
どんな作品?
初の本格的な海外ロケ作品として、アメリカの政治の中心地・ワシントンD.C.で撮影。ホワイトハウスなどを背景に、圧倒的なパフォーマンスを繰り広げます。
歴史的意義
「帝国主義」という挑戦的なタイトルを掲げ、世界の中心で「暴力ではない表現」を体現。彼らのメッセージが、グローバルなステージへと飛躍した瞬間を捉えた重要作です。
③『HAVE A NICE DAY』(2014年)
どんな作品?
日本のカルチャーの中心地・秋葉原が舞台。サラリーマン、オタク、そしてAKB48のメンバーまでをも巻き込み、街全体がパフォーマンスの一部となる、多幸感あふれる作品です。
歴史的意義
一般市民の日常にアートが溶け込むという斬新な手法で、YouTubeで爆発的に再生され、海外からも絶賛されました。「日本らしさ」と「普遍的な平和のメッセージ」を両立させた、彼らの最高傑作の一つです。
須藤元気の「脱退」と、グループの「現在」
順風満帆に見えたWORLD ORDERですが、その歴史は常に変化と共にありました。そしてその中心には、常にリーダーである須藤元気の大きな決断がありました。
なぜ須藤元気は、一度ステージを降りたのか
2015年、須藤元気さんは、WORLD ORDERのボーカル&ダンサーというフロントメンバーから退き、プロデューサーに専念することを発表します。
その理由は、グループの「次の成長のため」でした。彼は「この先、成長期を迎えるために次の作品には自分は一切触れないことにした」と語り、メンバーの自主性を尊重し、新たな可能性を信じて、一度その中心から離れることを選びます。
その後、2019年には政治家活動に専念するため、プロデューサーからも離れることになります。
2025年、伝説は再始動する
そして2025年4月、世界中のファンが歓喜するニュースが舞い込みます。
須藤元気が、再びフロントメンバーとしてグループに復帰し、WORLD ORDERが本格的に「再始動」したのです。
新曲『NEO SAMURAI』と共に発表された新体制には、内山隼人さんや森澤祐介さんといった、黄金期を支えたメンバーの名前も。須藤元気のリーダーシップの元、伝説は、決して過去のものではなく、未来へと続く物語であることを力強く証明しました。
WORLD ORDERは、形を変え、進化を続けながら、今もなお、須藤元気の「戦わない平和論」を世界へ発信し続けているのです。
まとめ:WORLD ORDERは、須藤元気の魂そのものだった
格闘家、政治家、そして、表現者。
数々の顔を持つ須藤元気という男の、その全ての活動の根底に、一つの揺るぎない哲学が流れています。
WORLD ORDERは、その哲学が、最も純粋な形で結晶化した、彼の魂そのものと言えるアートプロジェクトです。
- 拳を交えるのではなく、ダンスで調和を描く。
- 言葉の壁を越え、パフォーマンスで世界に語りかける。
それは、彼が人生をかけて探し求めた、「戦わない平和論」の、一つの完璧な答えでした。
2025年、再び彼自身がフロントに立ち、再始動した伝説の物語は、まだ終わりません。
【須藤元気の「全て」を知りたいあなたへ】
この記事で、彼の「表現者」としての魂に触れたあなたは、きっと、彼のもう一つの物語も知りたくなっているはずです。
- 「なぜ、彼は格闘家から政治家へと転身したのか?」
- 「そのプライベートな素顔とは?」
彼の壮大なキャリアの全てを網羅した、こちらの記事もあわせて読むことで、須藤元気という人間の、真の面白さと深さを、120%理解することができます。
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