【どんな人?】騎手・松若風馬とは?G1制覇の栄光と、騎乗停止の試練を乗り越えた素顔

当ページのリンクには広告が含まれています。
【どんな人?】騎手・松若風馬とは?G1制覇の栄光と、騎乗停止の試練を乗り越えた素顔

2025年の小倉記念で、多くの競馬ファンの注目を集める若き実力派、松若風馬騎手。その華麗な騎乗スタイルの裏に、栄光と挫折、そして再生の物語が隠されていることをご存知でしょうか。

  • 「一体、どんな人物なの?」
  • 「過去に何があったの?」

この記事では、そんなあなたの疑問に答えるため、彼が掴んだG1制覇という最高の「光」と、キャリアを揺るがした「騎乗停止」という「影」、その両面から、彼の素顔の全てに迫ります。

目次

結論:松若風馬は「冷静と情熱」を併せ持つ、不屈の勝負師だった

なぜ、若き騎手・松若風馬は、多くの競馬ファンの心を惹きつけて離さないのか。その答えは、彼のキャリアを彩る「3つの要素」を紐解くことで、明確に浮かび上がってきます。それは、単なる天才の物語ではなく、栄光と挫折を知る、一人の人間の成長物語です。

  1. 冷静な判断力: デビュー直後から頭角を現し、数々の大舞台を経験することで培われた、レースの流れを冷静に読み切るクレバーさ。
  2. 情熱的な向上心: デビュー7年目にして掴んだ、初のG1タイトル。それは、繰り上がりという劇的な形でもぎ取った、彼の勝利への執念と、あきらめない情熱の結晶でした。
  3. 不屈の精神力: 飲酒運転という、プロとして、そして社会人として許されない過ちによる、半年の騎乗停止。そのキャリア最大の試練から這い上がり、再びターフで勝利を掴んだ、強い心。

この記事では、まず彼が掴んだ最高の「光」であるG1制覇の瞬間から描き出し、その後、彼が向き合った「影」、そして「再生」への道のりを追っていきます。

松若風馬騎手とは?一目でわかるプロフィール

物語を始める前に、この物語の主人公である、松若風馬騎手の基本的なプロフィールをご紹介します。

項目プロフィール
名前松若 風馬(まつわか ふうま)
生年月日1995年9月4日
出身地滋賀県
所属JRA栗東トレーニングセンター
デビュー2014年3月1日
身長/体重151cm / 45kg
血液型B型

輝かしい実績

  • 通算勝利数: 480勝以上(中央競馬、2025年7月時点)
  • G1級勝利: 2勝(中央1勝、地方1勝)
  • 主なパートナー: モズスーパーフレア(2020年 高松宮記念)、デルマソトガケ(2022年 全日本2歳優駿)

栄光の瞬間:G1初制覇と「モズスーパーフレア」との絆

全ての騎手が夢見る、G1レースの栄光。松若風馬騎手が、その夢を初めて掴んだのは、2020年の高松宮記念でした。しかし、その勝利は、誰もが予想しない、あまりにも劇的な形で訪れます。

9番人気の伏兵が起こした「奇跡」

レース前、松若騎手と、彼のパートナーである牝馬「モズスーパーフレア」のコンビは、決して主役ではありませんでした。G1未勝利、そして9番人気という下馬評は、彼らが「伏兵」の一頭でしかないことを物語っていました。

しかし、ゲートが開いた瞬間、物語は大きく動き出します。

大外16番枠という不利な条件をものともせず、松若騎手とモズスーパーフレアは、得意の戦法である「逃げ」を打ちます。

「スタートを気を付けて自分のリズムでレースをさせました。最後は必死で追いました」

レース後、彼がそう語ったように、人馬一体となったその走りは、後続の有力馬たちの猛追を、ハナ差、クビ差で凌ぎ続けます。

無我夢中で掴んだ、繰り上がりの栄冠

ゴール板を駆け抜けた瞬間、電光掲示板が示したのは2着という結果でした。しかし、1位で入線した馬に審議が入り、結果は4着に降着。これにより、松若風馬とモズスーパーフレアは、劇的な「繰り上がり」で、G1初制覇の栄冠を手にすることになります。

「ゴール盤を抜ける時は無我夢中で、必死に追った」

その言葉通り、最後まで勝利を諦めなかった若き勝負師の情熱と、パートナーとの強い絆が生んだこの奇跡の勝利は、彼の名を一躍、トップジョッキーの仲間入りさせた、栄光の瞬間として、今も多くのファンの心に刻まれています。

試練の時:キャリアを揺るがした「影」

輝かしい栄光を掴んだ若き才能。しかし、彼のキャリアには、深く、そして重い「影」が落とされた時期がありました。

何があったのか?飲酒運転による騎乗停止

2024年8月、松若風馬騎手は、道路交通法違反(酒気帯び運転および物損事故)の疑いで逮捕されるという、プロアスリートとして、そして社会人として、決してあってはならない過ちを犯してしまいます。

この重大な事態を受け、JRA(日本中央競馬会)は、「競馬の公正と信用を著しく損なうもの」として、彼に約6ヶ月間という、非常に重い騎乗停止処分を下しました。

参考サイト

なぜ、厳しい処分が下されたのか

競馬は、その公正確保が何よりも重んじられる世界です。JRAは、所属する騎手や調教師に対し、業務の内外を問わず、社会的な信頼を損なう行為に対して、厳しい規定を設けています。

今回の処分は、その規定に則った厳正なものであり、競馬界全体の信頼を守るための、当然の判断でした。ファンやメディアからも、その責任を問う厳しい声が上がりました。

G1を制覇した栄光から一転、松若風馬騎手は、自身のキャリアにおける、最も長く、そして暗いトンネルへと入ることになったのです。

再生への道:試練を乗り越えて、再びターフへ

キャリア最大の試練。半年という長い騎乗停止期間に、松若風馬騎手は、どう向き合ったのか。

彼は、多くの言葉を語ることはありませんでした。しかし、その静かな時間の中で、彼は自らの過ちと向き合い、再びターフに立つための、不屈の決意を固めていました。

言葉ではなく、行動で示す「覚悟」

処分が明けた2025年2月。彼が再生の舞台に選んだのは、地方競馬の重賞レースでした。そして、そのパートナーに選ばれたのは、彼がデビュー当初から手綱を取っていた旧知の馬「デルマソトガケ

師匠である音無秀孝調教師は、この起用について「もともと、風馬が乗っていた馬だからね」と、多くを語らず、その信頼を示しました。それは、まるで自らの「原点」に立ち返るかのような、象徴的な復帰戦でした。

競馬の世界において、失った信頼を取り戻す道は一つしかありません。それは、「実力で示すこと」

師弟の絆と、新たな物語の始まり

復帰後の彼は、決して派手なカムバックを果たしたわけではありません。しかし、一鞍一鞍、真摯に馬と向き合い、着実に勝利を積み重ねていきます。その姿は、ファンや関係者の信頼を、少しずつ、しかし確実に取り戻していく道のりそのものでした。

定年を控えた師匠・音無調教師との「師弟最後のG1」にも騎乗。その一つ一つのレースが、彼の再生の物語を、力強く紡いでいきました。

大きな過ちを犯し、一度はターフを離れた若き才能。その試練は、彼から多くのものを奪い、そして、それ以上に多くのものを与えました。

栄光と挫折の両方を知った彼は、ただの天才ではない、一回りも二回りも大きな、不屈の勝負師へと成長を遂げたのです。

ファンの声:SNSに溢れた「おかえり」という温かい眼差し

彼の復活劇は、多くの競馬ファンの心もまた、強く揺さぶりました。

彼がターフに戻ってきた日、そして復活の勝利を挙げた日。SNS上には、彼の再起を喜び、そして未来への期待を寄せる、温かい声が溢れました。

もちろん、彼が犯した過ちに対する厳しい目があったことも事実です。

しかし、それ以上に多くのファンが、彼の才能を信じ、その帰りを待ち望んでいた。その温かい眼差しが、彼の孤独な戦いを、静かに、しかし力強く支えていたのかもしれません。

そして、物語は現実になる!2025年【小倉記念制覇】

ファンの想いに応えるかのように、彼の「再生の物語」は、ついに現実世界で、最も劇的な形で結実します。

2025年7月20日。まさにその日、彼は小倉記念(GIII)で、9番人気という伏兵「イングランドアイズ」を見事1着に導き、3年ぶりとなる中央重賞制覇を成し遂げたのです。

最軽量ハンデを活かし、最内枠から冷静にレースを進める、彼の真骨頂とも言える騎乗。

それは、騎乗停止という長いトンネルを抜け、彼が完全にターフへ帰ってきたことを高らかに宣言する、「復活の勝利」でした。

レース後、彼はこう語ります。

「素直にすごくうれしい。理想のポジションで競馬できた」

その言葉は、もはや過去の影を微塵も感じさせない、勝負師の顔そのものでした。

大きな過ちを犯し、一度はターフを離れた若き才能。その試練は、彼から多くのものを奪い、そして、それ以上に多くのものを与えました。

栄光と挫折の両方を知った彼は、ただの天才ではない、一回りも二回りも大きな、不屈の勝負師へと成長を遂げたのです。

参考サイト

プライベートな素顔:結婚や家族、年収は?

ターフの上では、冷静沈着な勝負師の顔を見せる松若風馬騎手。しかし、ひとたびヘルメットを脱げば、彼はどんな素顔を持つ青年なのでしょうか。

競馬一家に生まれたサラブレッド

彼の競馬への情熱は、その血筋に深く刻まれています。

彼の父・松若勝さんは、数々の名馬を支えてきた凄腕の「装蹄師」。幼い頃から父の仕事を見て育った彼は、まさに競馬界のサラブレッドとして、自然と騎手の道を志すようになりました。

結婚はしている?

2025年現在、松若風馬騎手が結婚しているという公式な情報は見当たりません。

プライベートについては多くを語らないスタイルのようですが、ひたむきに競馬と向き合う姿が、彼の誠実な人柄を物語っています。

気になる年収は?「中堅〜上位」の実力

では、プロアスリートとしての年収は、どれくらいなのでしょうか。

JRA騎手の平均年収は約3,000万円と言われていますが、G1を制し、数々の重賞を勝っている彼は、その中でも「中堅〜上位」に位置する実力者です。

そのため、彼の年収は、推定でも3,000万円〜5,000万円前後が、一つの目安と考えられます。

もちろん、騎手の収入はレースの賞金に大きく左右されるため、G1高松宮記念を制した2020年のように、特に活躍した年には、この金額をさらに大きく上回っていた可能性も十分にあります。

厳しい実力の世界で、彼はその腕一本で、誰もが夢見る成功を掴んでいるのです。

仲間であり、ライバルでもある「同期」の存在

2014年にJRA競馬学校を卒業した、彼の「同期(30期生)」には、石川裕紀人騎手や小崎綾也騎手といった、同じくターフを沸かせる若き実力者たちがいます。

若き日から互いに切磋琢磨するライバルの存在が、彼をアスリートとして、さらに強く成長させてきたのです。

まとめ:松若風馬の物語は、まだ始まったばかり

G1制覇という、騎手なら誰もが夢見る最高の「光」。

そして、キャリアの断絶をも覚悟したであろう、騎乗停止という、深く、重い「影」。

松若風馬という騎手の物語が、なぜこれほどまでに私たちの心を惹きつけるのか。その答えは、彼が、その光と影の両方を経験した、稀有なアスリートだからです。

一度は大きな過ちを犯しながらも、決して腐ることなく、自らの腕と精神を磨き、再びターフへと帰ってきた。その姿は、単なる「強い騎手」の物語ではありません。それは、失敗から立ち上がり、再生していく、一人の人間の不屈の物語です。

2025年の小倉記念の結果が、どうであったとしても。

彼のジョッキー人生は、栄光と挫折の両方を知ることで、より深みを増し、新たな章へと歩みを進めています。

冷静な判断力と、内に秘めた熱い情熱。

その二つを武器に、松若風馬の物語は、これからも、私たちの想像を遥かに超えるドラマを見せてくれるはずです。

同じく、若くしてトップの世界で戦い、様々な試練を乗り越えてきたアスリートたちの物語も、あなたの心を熱くするかもしれません。

【若きアスリートたちの、もう一つの物語】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次